結納金というのは、男性方から樽肴と帯地料として、女性方からは同じく樽肴と袴地料として金子を包むようになったもので、いまは、このうち樽看を省略して目録だけになりました。これがもっとも基本的な現在の結納です。そこで、男性から贈る帯地料に対して、女性から返す袴地料にどれぐらいの金額を包むかが問題になります。昔は結納金の額によって嫁入り支度がきまったほどで、かなりはり込んだものです。しかし、いまは、双方の収入の状態に従って分相応にし、決して気ばる必要はありません。ふつうのサラリーマンの家庭なら、本人の月給の二、三倍が適当です。そして、女性方にも額を知らせておき、女性方からのお返しを廃止するよう相談するのが現代的です。
お見合いの仲介役となってもらう人は、自分のことをよく知っていて、付き合いの幅が広い、人生経験の豊かな人がよいでしょう。仲介者宅を訪ねて正式に縁談の仲介を依頼する場合は、身上書とともにフォーマルな写真を持参します。できれば、カジュアルな写真(スナップ)も添えるとよいでしょう。仲介者には、結婚後も仕事を続けたいのか、両親との同居を希望するのかなど、自分の要望を伝えます。男性側も、女性側も相手に対して、いわゆる三高(身長、学歴、収入が高い)にこだわることなく、人間性を重視したいものです。お見合いの日取りや場所の設定も希望を伝えますが、自分の都合だけでなく、仲介者に合わせる心のゆとりも必要です。さて、お見合いでかかる費用は相手方との折半です。その場では仲介者が支払いますので、あらかじめ仲介者の交通費も考慮して、多めに渡しておくとよいでしょう。
服装についていえば、色の順位は紫を最高とし、以下、青、赤、黄、白、黒の順とした。男子の正装である束帯の曳裾の長さは、大臣は一丈、大納言は九尺、中納言は八尺とされた。着物の染織は、高度な美術品であり、日本独自の美しい数々の紋様も、人類の文化遺産として特筆に値する。現代でも振袖、留袖、訪問着などの礼服には吉祥紋様や有職紋様をつけるきまりだが、有職紋様とは平安の昔、宮中の官職にあった人々が礼服や狩衣などに用いたもので、左右均衡のとれているのが特色である。立わく、花菱、青海波、烏禅、雲鶴、小葵、浮線稜など。クラシックな御所解き紋様は、宮廷の建物や庭園のたたずまいを幻想的、写実的に描いたものである。平安の王朝時代、殿上人たちがいかに衣服に浮身をやつしたかは、世界最古の宮廷ロマン『源氏物語』にこと細かに描写されている。当時、宮廷サロンを彩った宮家や貴族たちが、デリカシー溢れる恋愛作法を楽しんだ事実は、わが国が千年あまりの昔から高度な文化生活を営んでいたことを証明してあまりある。